友人の死

Photo: 公園の白い花 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX.
Photo: "公園の白い花" 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX.

友達が死んだ。嘘みたいな、本当の話だった。

何かの勘違いじゃないのか。白いシャツに、黒いネクタイを締めて、電話で教えられた駅に降り立った僕は、まだそう思っていた。案内係が示す xx家の文字には、見覚えが無かった。


生暖かい風が吹く大きな川を渡って、葬儀場に着くと、大きく彼女の名前が書かれていた。なんてこった、と心の中で呟いた。

花に溢れた大きな祭壇には、彼女の写真が飾られていた。そういえば、何故か写真写りが良くない子だったのだけれど、その遺影はちゃんと、彼女の綺麗さを表現していた。綺麗で、頭のよい子だった。共に大学時代を過ごした、同い年の友達の葬式は初めてだった。

通夜振る舞いで、半月ぶりに口にしたビールはとても苦く、久しぶりに会った友人達との会話は、途切れ途切れだった。


よろしければ、一目、と夫だった人に促されて、祭壇に再び歩み寄ったものの、苛立ちのような、理不尽さのようなものがこみ上げてきた。ハーフ?と良く訊かれていた、彼女の白い肌はいつもと変わりなく、ただ目だけを固く閉じていた。

彼女は死んでいて、僕は生きている、そう強く感じた。

夜のまどろみから、急にたたき起こされたかのように、意識だけがハッキリとしていた。

ミクソロジスト

Photo: ミックス焼きそば 2006. Tokyo, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.
Photo: "ミックス焼きそば" 2006. Tokyo, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.

ミクソロジストという職業があるそうで。それは、カクテルのレシピを開発するプロだそうで。新しいカクテルを作るには、冒険心が何より大事であって、曰く、
「この材料と、この材料はマッチしないと決めつけないこと」
なるほど、それはレゲエのセンスにも通じるものがあるな。そう、恐れずに混ぜるのだ。


今日は日高屋にて、焼きそばとラーメンと混ぜてみました。言ってみれば、付けソバのタレの代わりに、焼きそばに付ける感じか。
うん、普通にうまいね。(ホントか)

トニー滝谷

トニー滝谷 プレミアム・エディション僕が持っていない、ほとんど唯一の村上春樹の短編集「レキシントンの幽霊」に収められた、同名の小説の映画。
村上春樹の作品の映画、というだけで引いてしまったが、見てみると、あの文章の雰囲気がとても良く出ていて、うまくつくったなぁという印象。

イッセー尾形も宮沢りえも、全然好きな役者ではないのだけれど、そういうことは感じずに見終わった。役者の個性に頼るのではなくて、きちんと役が作られている。つまり、映画として良くできている。


画作りは、スタイリッシュで、ともすれば退屈になりがちな動きの少ない、画面を、滑らかな横方向へのトラックを良いアクセントにして、うまくまとめている。fixと思わせておいて、カメラは滑らかに、真横にトラックしていく。

音楽は坂本龍一。ピアノオンリーの音楽が、ずっと静かに流れている。
うん、よくできているのだ。

エビ天の缶詰

Photo: ポークランチョンミート 2003. Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EBX.
Photo: "ポークランチョンミート" 2003. Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EBX.

映画シェルタリング・スカイの冒頭で、主人公が夢の話をする。妻は、

「他人の夢の話は、退屈なだけだからやめて」

と拒絶する。でも、実は彼女は恐れていたのだった、夢が何かの兆候を示すことを。

で、僕が見た「エビ天の缶詰」の夢はいったい何の兆候を示すのだろうか。しかも、缶には「大盛り」と書いてあった。


僕のフェイバレット缶詰と言えば、ポークランチョンミートだな。

写真は、僕が初めて CONTAX で撮ったリールの1枚。