秋葉原のトンカツ屋

20041031-mark151.jpg秋葉原で飯っていってもなぁ、、。街の奥深くで仕事に必要なマイナーな部品を買い、さてどうするか。
秋葉原といえば、某ラーメン屋ぐらいしかないような印象があるのだけれど、意外と古くて良い佇まいの店があったりする。
その一つが、このトンカツ屋。古い木造の家、ちょっとだけ値段が高いので、一瞬敬遠してしまうけど、サービスの良さと丁寧な仕事。よく刻んだキャベツには、少し大蒜の香りがついたドレッシング。低温でじっくり揚げた、薄衣のカツに、独特なスパイスの利いたソースをかけて。
昼時は、近所に勤める人たちですぐにいっぱいになってしまう。だから、少し時間をはずして行くことをお勧めする。その方が、サービスもいいし、カツの味もいいようだ。

スーツケースと崎陽軒のシウマイ

Photo: 崎陽軒のシウマイ 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.
Photo: "崎陽軒のシウマイ" 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

午前 2時。大阪市内のとあるホテルの一室。目の前には、30個入りの崎陽軒のシウマイが手つかずの状態で置かれている。腹はすでに一杯だ。


大阪へのお土産は、崎陽軒のシウマイと決まっている。毎回、同じ人に、同じものを、あげるのも芸がないので、今回はいつもの倍の30個入りだ。相手 は、今日はメタルのスーツケースを持っている。シウマイを入れるのに、もっとも向かない鞄があるとすれば、それはメタルのスーツケースに違いない。いい感 じだ。スーツケースにシウマイ、カッコワルイ。

打ち合わせも終わって、ちょっと遅い晩飯を食べて、ちょっと(かなり)風変わりなバーに行ってみたりする。マンションの最上階にある、バー。普通に チャイムを鳴らして入るのだ。淀川の向こうに大阪市街を眺めつつ、思いっきり、ベタベタにセレブな感じが演出されるのは、やはり関西だからか。(値段は驚 くほど安い)


夜半、大阪組と東京組は分かれて、僕たちはいい気分で今日の宿に向かう。やっぱり、夜食だろ、というところで「レゲエ飯」をつくるべくコンビニに入って思い出した。
「シウマイ!」
「あー、鞄に入れっぱなし!」

喰うのかよ。(喰ったが)


注:付け合わせはパスタになっております。

10粒

最近ビール酵母を(も)飲んでいるのだが、これが1回に10粒も飲まないといけない。最初は、数えるのめんどくさい、と思っていたのだが、慣れてくると、ボトルから一振りで10粒出せるようになってきた。
手のひらをざっと眺めて、1つ多い?とか1つ少ない?とかも分かるようになった。
なるほど、これをつきつめていくと、吉野家のご飯をちょうどの重さによそったり、鮨のご飯を粒単位でコントロールしたりできるようになるわけだな。
人間の感覚ってやっぱりすごいです。

楽園を見にいく

Photo: イチジクとメロンの前菜 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105
Photo: "イチジクとメロンの前菜" 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105

今回の旅の目的の一つに、「楽園を見にいく」というものがあった。知り合いの両親が、阿蘇の山裾でレストランを開いている。それは、テレビ番組でも 取りあげられた。東京での生活にピリオドをうって、阿蘇に移り住んで、レストラン経営。ある種、画に描いたような話だ。それって、実際どうなんだろう。

カーナビに店名を入力すると、ちゃんと登録されていた(!)のだが、アホなナビは山側から回り込むという非常に難易度の高いコースを設定し、藪を乗り越え、岩陰を抜けて、なんとかたどり着いた。(下からいけば、普通の舗装道路から易々と行けたのだが)


店は手作りで一から建てたという、南仏風の白い建物。庭に向かって大きなテラスがつくられていて、そこからはすぐ近くに阿蘇の山が望める。僕たちは そのテラスに作られたテーブルに通された。山裾の風が吹抜け、白と青のクロスに、籐の椅子が気持ちいい。料理は奥さんと、2人の女性がつくる。メニューを いろいろ見て、せっかくなのでコースを頼んでみる。(正直腹ぺこだった)

いただいたワインを飲みながら、山を眺めていると、シャイな感じのご主人が料理を運んできてくれた。イチジクとメロンを盛りつけたフルーツ仕立ての前菜が目に清々しい。しっかりしたイチジクの実や大粒のラズベリーに、自然のものを食べている喜びがある。

暫くして、不意に蜩の声が止むと、朗々とした雷鳴とともに激しい夕立が訪れる。あっという間に気温が下がり、心地よい。阿蘇の山が雨に霞む。この季節、夕方にスコールのような雨が降るという。


ラタトゥユのごろごろした野菜。全粒粉の香ばしいパンと、よく煮込んだシチュー。バジルの濃い香りに酔うパスタ。お世辞でもなんでも無く、美味い。 メニューのバリエーションは多くない、その分、料理はしっかり考えられている。口に含んだ料理の香りが一段も二段も違う、こんなに強い素材は、土と太陽の ある所でなければ食べられないのだと知る。そう言えば、このテーブルに座ってから、ハーブの強い香りがずっとしている。庭に植えられたタイムの葉だ。

「これは戦いみたいなもんです」

阿蘇の気候で庭を造り、店をきりもりする。日々は、生い茂る植物との戦いだと言う。日本の気候の中で、自分たちの理想とする世界を手探りでつくろうとする難しさ。

それにしても、最初これって本当に儲かるのか?という気がしたけど、お客さんがちゃんと来る。僕たちが食事をしている間にも、ジャガーのセダンに 乗った品のいいカップルが、お茶を飲んで帰っていった。楽園は、そこにあるものではなくて、つくるものだと知る。ここには、楽園を作ろうとする想いがあっ た。

レゲエ号

Photo: 928 2004. Japan, Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EB-3
Photo: "928" 2004. Japan, Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EB-3

今回の旅は全てプチ氏の愛車ポルシェ(通称レゲエ号)で行った。そもそもフェリーという選択自体が、(その低い標準車高で船倉に入れるのかという疑問はさておき)無理矢理ポルシェを九州に運び込む、という目的のためだった。

今でこそヤフオクで 30万円代から出品されているが、発売された 14年前、車両本体価格で言えば、当時のフェラーリと同じクラス。まさに、バブル絶頂期のヤッピーカーだ。(地球に厳しい) 5リッター(!)の V8エンジンに、(よく壊れる)メルセデスのトランスミッション。まともにやれば、維持費はやたらにかかる。細かいことは気にしない、というスタンスで乗 るのが良いかもしれない。

今回の旅では結局、1,000km 以上を走破した。その間、愛車を運転し続けたオーナー・プチ氏の気迫。酷暑・高湿度という、ドイツ生まれのこの車が最も苦手とする環境で、その期待に応えた機械。


今回、この車はよく耐えた。ワイパーブレードが壊れたのと、あまりの暑さに所々でエンジンがかからなかったのと、後ろのハッチが開かなくなったの と、右窓の閉まりが悪いぐらいしか不具合は出なかった。これは「ほぼノートラブル」と言っても良い。(つまり、ミッション・オイルを吹いたり、ガソリン臭 を発したり、ブレーキ警告が出たりしなかったということだ)ワイパーブレードは、オートバックスで買えたしね。

旅の半ば、宮崎のガソリンスタンドで、ガスを入れていると、スタンドの人がジョウロとブラシでホイールとタイヤを洗ってくれた。そんなサービスは初めて見たのだが、これは嬉しかった。頑張ったこの機械も喜んでいた。