黒マヤー

Photo: “Mayaa (Okinawa cat).”
Photo: “Mayaa (Okinawa cat).” 2019. Okinawa, Japan, Apple iPhone XS max.

街からほど近い海辺の公園に、猫だまりを見つけた。

暫くじっとしていると、沢山寄ってきたよ。全部野良だと思うが、思ったより距離感は近い。僕を取り巻いて、お尻に頭突きをしてきたりする。南国とはいえ冬は冬で、ここのネコたちは少しモフッとしている。

「こんにちは」

どこからか、4歳ぐらいの男の子がやってきて、僕に挨拶をする。ネコたちはビックリして、取り巻きは解散してしまう。腰を上げて、立ち去ろうとすると1匹だけ付いてくる黒猫が居た。見送ってくれるのか?

この冬一番の冷え込みという沖縄の空は、まるで初春5月のような色だった。
(写真をよく見ると、もう1匹見送りが居るね)

孫を連れて

Photo: "Little Tolstoy."
Photo: “Little Tolstoy.” 2017. Vladivostok, Russia, Apple iPhone 6S

ウラジオストクの路線バスは、ちょっと信じられないぐらい年期が入っていた。経済圏としては韓国が近いせいか、ボロボロの大宇とかそんなものが走り回っている。今日はいい陽気だけれど、クーラーは入らずに窓全開だ。まるでヨーロッパなウラジオの町並みが、車窓を通り過ぎてく。

孫を連れて連れてバスに乗るじいちゃん、手の甲には碇の刺青が見えた。船乗りとしての人生を終えて、今は丘で暮らしているのだろうか。冬のオホーツク海を越えて、人生がこんな形で残るなら、それも悪くない。


港の小さなスーパーに行く道すがら、野良猫を見つけた。

今日は暑いが、冬場ともなれば平均気温がマイナス10度を下回る土地。もっこもこのロシア帽みたいになっているよ。ロシア文豪といった威風堂々の風格。

近寄ると、おそロシアな視線で睨まれた。退散。

昭和ファサードの猫

The cat in a façade.
Photo: “The cat in a façade” 2017 Tokyo, Apple iPhone 6S.

近所の、いまにも崩れそうな長屋に入った豆腐店。歩道を覆うように、軒が伸びていて、その上に夏は夕顔が咲き誇る。さしずめ、昭和のファサードと言ったところか。

「気がついたか」

屋根?っていうかファサードに居るのは初めて見ましたよ

「お前が気がついてなかっただけだよ」

大きくなりましたね。初めて見たときは子猫だった

「なに大人ぶってんだ。お前なんかより、よっぽど色々見てんだぞ」

すみません

「俺たちが見えないような生き方はろくなもんじゃないぞ」

ん?

「見えてるのに、見てないんだ」

そうか。。そんなもんかもしれません。今日は、会えて良かった。

「ああ、じゃあな」