ささいな瞬間

Old Tavern
Photo: “Old Tavern” 2012. Tokyo, Japan, Apple iPhone 4S.

人は、ささいな瞬間の、ささいな言葉を覚えているものだ。

「最近、ギョウザを胡椒で食べるのがいいんだよー」

そこまで言うならやってみようか、と、S&Bのテーブル胡椒を醤油に溶いた。

まだ寒さの厳しい 1月、すきま風の吹き込む古い店内は、平日の5時をまわったばかりだったが、客でだいぶ混み合っていた。石油ストーブでどうにか温められたテーブルで、瓶ビールとシウマイ、ギョウザなんかをとって、3人で食べた。


その店はもう、すっかり建て替えられてしまって、その日の面影は無く、そして胡椒の話をしていた人もこの世には居ない。

喪失感は、そういう所からやってくるのだな。

ビール持ってきてちょうだい。

Hell bowl
Photo: “Hell bowl” 2014. Kanagawa, Japan, Apple iPhone 5S.

「ビール持ってきてちょうだい。」

箱根は大涌谷の飯屋で、常連のていでオヤジが店のおばちゃんに声をかけている。

そもそも大涌谷に常連というものが存在しうるのか。

「この地獄丼てのは何?」

それは辛いのよぉ、凄く。と、オバチャンはまるでお勧めしない


それは、つまり僕が今まさに食べているやつだ。大ぶりのチャーシューが、白髪葱と唐辛子で少し辛めに味付けされている。

自分的にはチャーシューも柔らかくて、結構美味しいんだけど。いや、この手の店のものとしては、むしろぜんぜんありだけどな。。

震災の後

震災の後、このページを書くのがすごくしんどくなった時期があった。2011年はなんとか書いていたが、2012年・2013年ほとんど更新していない。

それでも、手元の Day One には短く書いて、そのまま載せることもできずに眠っているエントリーが幾つもあった。別に、面白くも無いし、短い、走り書きのようなものだ。

Blog Archiveの欄の月の空白を眺めながら、それはそれで、良いと思って居たのだけれど、その間の空白を埋めたくなってきた。面白く無くても、内容がなくても、それでいいじゃないかと。

Day One に埋もれたエントリーを掘り出して、読めるぐらいには加筆して、書いた当時の日付でアップする作業を少しづつしている。その期間も写真は撮っていたし、幸い、Day One は日付で記録をしてくれる。

そうやって、少しふり返っている。全ては自分のためだ。