熊のメリークリスマス

Bear's Christmas
Photo: “Bear’s Christmas” 2015. Tokyo, Japan, Apple iPhone 5S.

クリスマスから日付が変わり、ここで最後とタクシーでたどり着いたレストランは、温かくて静かだった。

夜もすっかり更けて、もう明け方の店には、ちょっと遅いクリスマスを祝っている謎のカップルが居る。熊のカップルも座って居る。そして、4軒目か、5軒目ですっかり疲れがまわってきたリーマン達(僕らだ)。それで全部だ。

街は静まりかえって、クリスマスの雰囲気は無くなりつつあるけれど、謎の二人は楽しそうだ。こんな深夜から会っている二人に、どんな事情があるのかは分からない。ただ、静かに話しをしている。


渋谷にこんな場所があるとは思わなかった。西欧のいろんなカワイイを混ぜたようなインテリアは、そのちょっとちぐはぐな感じが、ディズニーランドみたい。

リーマン達は、字面が凄いという理由だけで頼んだスペアリブと、ノリだけで頼んだピザを、ビールで流し込んでいる。何を話したかはもう覚えていない。


そういえば、熊のカップルも、プレゼントを交換してクリスマスをちゃんとお祝いしているよ。

かつて、ここに橋があった

Japanese apricot blossom.
Photo: “Japanese apricot blossom” 2015. Tokyo, Japan, Apple iPhone 6S.

かつて、ここに橋があった、という碑がある。

何年もその前を通っていて、今日初めて足を止めた。それは、今あるものの説明では無くて、かつてあったものの話だ。


誰かが、想いを持って作ったのだろう。しかし、それは覚えられること無く、ただ道ばたに存在している。

我々が日々、何かに自分の存在を刻もうとしていることと、そこに纏わり付く無力感。

「いらないな」と思う。