なんちゃってペニンシュラに泊まる

Peninsula?
Photo: "Peninsula?" 2011. China, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

そもそも、iPhone上の楽天トラベルの小さな画面で、旅行先を探したのが間違いだったのだ。

上海、ペニンシュラに泊まれて飛行機代・サーチャージ・宿泊費用込みで4万円。安い、安すぎる。別に上海に行ってみたいという事はそれ程は無いけれど、飛行機も3時間と短いし、ペニンシュラに泊まれるなら、という気分で行く事にした。

僕には別の出張の予定もあったので、手配は同行者に任せたのだが。。。

パスポート番号さえ訊かれずに発行された、Webチェックインできない謎のe-ticketからして、どうも怪しかった。もっと言えば、宿泊先の住所をgoogle mapsに入力すると、ザ・ペニンシュラとは河を挟んだ対岸のあたりを示すのが全く納得がいかなかった。

これ、ペニンシュラじゃないんじゃないの?


もちろん、ペニンシュラでは無かった。webをちゃんと読めば書いてあった事だし、全部で4万円というのは、そもそもありえなかった。iPhoneの小さな画面で、適当に決めては行けない。特に、それがうまそうな話ならなおさらだ。今となっては、HAYATTという名前のモーテルに泊まらされた友人の事を、あまり笑えない、そんな感じだ。

「ペニンシュラ」

と言えば、それが本物のペニンシュラならばタクシーは一撃で車寄せに横付けしたに違いない。しかし、空港から乗ったタクシーのドライバーは、我々の渡したホテルへの地図を訝しげにのぞき込み、どこかに携帯電話をかけ、あげく、「ここら辺だと思うんだけどよぉ」というような事を中国語で我々に話しかけながら、ぐるぐる下町の市場らしき街路を走り回った。

そうして、僕は「半島」という漢字のネオンを遙か先に発見し、それと同時に運転手も嬉しそうにそれを指さしていた。


一応、それはビルであり、ポーターのような人も居た。英語でフロントはどこ?と訊いたら困ったような顔をされたが、気配でああ、あっちと言われた。漢民族的な、まったく歓迎とかホスピタリティーとかを示さない無愛想極まるフロントは、それでも英語を話し、宿泊のticketを受け取った。

部屋はちゃんとカードキーで、しかし一枚しかよこさなかったのでそれはないだろ、と言ったら無言で2枚目をくれた。ここは交渉の国なのだ。ポーターのような人は、荷物を運んでくれる気配は皆無であった。ああ、中国。

ちょっと違うペニンシュラは、それでも中国本土の土地は広いと見えて部屋は結構大きく、ライティングデスクの他に、ゆったりしたソファーも置いてあった。

懸念していた風呂場も綺麗、セーフティーボックスなんかもちゃんとある。でっかいサンヨーのSDテレビが、どんと置いてある(NHKも映る)。窓の外を見ると、地上げに遭って打ち壊されたような粗末な長屋が見え、八百屋らしき商店が道路に野菜を並べ、なんとも凄い立地ではあったが。

土曜日、上海地下鉄10号線

side street in Shanghai
Photo: "side street in China" 2011. China, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

上海、地下鉄。

香港で地下鉄の便利さが気に入って、上海でも地下鉄を使う。タクシーと違って、運転手の良心と力量に依存しないで済むのがいい。かなり遠くまで乗っても 5元、安い。


土曜の昼前、郊外の乗換駅を目指して地下鉄に乗っている。向かい側の座席には、お掃除ロボットのパチモンを買って家路に着く夫婦。なんとなく嬉しそうだ。

iPhoneからのびたイヤフォンを耳に突っ込み、騒ぐ子供に向かって、時折煩わしげに視線を送る丸刈りの大学生?は「世界上古史」と書かれたテキストに目を落としている。

ちょっと気が緩んだ様な、空気。土曜日の昼前。

上海でまたあの臭いをかぐ

side street in Shanghai
Photo: "side street in China" 2011. China, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

何度目かの中国。

初めて中国に行ったときは、北京だった。それから暫くして香港に行って、今回初めて上海に来た。最初に北京から行くというのは、多分中国入門としては、いささか濃かったかもしれない。


北京に比べれば、上海は色んなものがまだ穏やかで、比較的満遍なく近代化されていて、少しだけ英語が使える。港町の、開放的な空気もあって、でもせせこましい島社会の香港よりも格段に広々している。

中国独特のあの鼻をつく臭いは、もちろん、有るのだけれど、街中では随分少ない気がする。それにしても、あの臭いは何なのだろう。他のアジアの国では嗅がないあの臭い。香辛料?


昨日の夜は、店の中を子供が走り回る下町の料理屋で食べた。女将はしきりに水槽の中の魚を勧める。水槽の一つには、海老が沢山と、一緒に子ガメが入っている。あれは、食材の一つとして食べるのか。あるいは、単に食材と一緒に混ぜて飼っているペットなのか。いずれにしても、そんな所から選びたくない。

蒸し鶏、牛肉の味噌炒め、白菜と豚肉の炒め。三品を頼んで、青島の瓶ビールもとる。食器は上海の衛生局みたいなロゴが入ったビニールパックになっている。清潔です、という事だろうか、こういうのは初めて見た。味噌炒めの後味には、あの臭いがする。でも、まぁ、食べられる。蒸し鶏はあっさりしていて、けっこう良い。白菜と豚肉の炒めが一番食べられた。美味くはない、お腹は一杯。そんな食事が、二人で92元。(1,200円くらい)


今日、昼前、再開発されたオシャレ地域でビールを一杯。78元。色んなクラスの、いろんな時代の物価が、同居している。