Ricoh GR DIGITAL, GR LENS 2.4/28

Photo: GR Digital
Photo: GR Digital

凄く普通の、カメラだと思う。普通であることを、とことん考えたカメラだと思う。確実に動作し、確実な絵を残す。気がつけば、一年半弱で3,000 枚ほどを撮影し、日々持ち運ぶカメラとしては、日常での使用頻度が一番高いメイン機材になった。


4r のように取り出すだけで注目を集めるようなものではない。TVS Digital のように、考えもしないような絵を記録するわけではない。Canon G シリーズのように、絵や操作性にメーカーの主張があるわけでもない。取り出しても目立たない、撮った絵は大人しい、操作系には戸惑わない。だから、使い始 めた瞬間に面白くて、いろいろ撮ってみたいとか、人に見せびらかしたいとか、なんとしても使いこなしてみようとか、そんな風には思わなかった。

ただ、「さ、今日からこれで撮るか」そんな感じ。

そうして、直ぐに僕の日常のカメラとして、鞄に放り込まれ、液晶保護シートにはいつの間にかザックリ傷がつき、面白いような面白くないような、いろ んな写真を沢山、その中にため込んだ。健気な、というのが一番しっくりくるぐらい、これは道具なんだと思う。OXO じゃなくて、貝印、例えばそんな感じ。


後継機種も既に発表されているが、基本的な路線は同じなので、簡単にレビューを書いておく。(GR DIGITAL II は、AF 動作音が静かになったり、暗いところでの表現力がアップしていたり、液晶が鮮やかになっていたり、いろいろ改良されている。それでいて、並べて見ると、あ んまり違いが分からない、面白い。)

レンズは単焦点の 28mm(35mm フィルム換算)の F2.4、色収差さ周辺の流れなども少なく、デジカメレンズとしてはかなり優秀だと思う(室内撮影も多いデジカメの用途を考えると、もう少し明るくても良 いか)。デフォルト値でデジタルズームは切られている(はず)が、これはこのカメラのユーザ層を考えると、当然だろう。CCD は 800万画素、APS サイズでやるならこれ以上の高画素化は不要だろう。上がってくる絵はとても大人しい印象かつ、フラットな色味で、ある意味デジカメっぽい絵。個人的には、 トーンカーブなどを調整して、少しクセをつけたい感じ。コントラストなどはきちんと取れるので、あとからの修正にも耐える絵だ。

ボディ。全面黒、かつ滑りにくい加工。実質本意というか、こういう加工をすると、銀塩カメラのように見える。GR の特徴として、その絶妙なサイズが挙げられるが、これは使ってみると納得する。大きいとも、小さいとも感じない、そいういう不思議なサイズだ。これだけの サイズで、単4電池も利用可能で、内蔵フラッシュやアクセサリシューもある。一眼レフ並みに機能割り当て可能なダイアルを2つ装備しているのも凄い。大き さについては、不満はない。

このカメラのもう一つの良い点は、動作の速さだ。僕がコンパクトカメラを選ぶときの必須要件としている、レンズバリア付き、という点は、レンズをリ トラクタブルにすることで実現されている。使う度にレンズシステムが移動するので、精度と起動時間に不安を覚えるが、実用上問題は無い。動作時間、という 点で見ると、画像の表示(含サムネイル)や、設定画面の切り替わりなど、全体的にきびきび動く印象を持つ。ただ一点、不満なのはマクロ撮影時の AF 速度と、ピント精度だ。ファームウェアアップデートで改良されたようだが、それでもまだ遅く感じる。これについては、GRD IIが優れている。

さて、本体のデザインと対照的なのが、付属の画像転送ソフトと、画像ビューア。これは、他の Caplio シリーズと共用なのだと思うが、このセンスが、なんというか、摩訶不思議。カメラ本体の直感的な操作性とか、無駄のないデザインとか、そういったものは、 付属ソフトウェアからは感じられない。Windows 初期の謎のフリーウェアみたいに見える。画像ビューアは自分の好きな物を使えば良いとして、転送ソフトは安心感から言っても純正を使いたい。カメラを使え ば使うほど、使う機会が多いユーザーインターフェイスだけに、ここは改良して欲しい。iPod は別に欲しくないが、iTunes 以外の転送ソフトは、酷くて使い物にならない、と思っている人は意外と多いのだ。(画像ビューアを本気で独自開発したりすると、無駄にコストがかかるのは わかる。だから、そこはいい)


単焦点で、AF で、しっかりしたもの、となると、今の時点で買えるデジカメは、正直これぐらいしかない。あとはもう、M8に行くか、お遊びデジカメに行くか、そんな感じ だろう。初代発売から 2年をあけて、きちんと後継機種が出てきている、これはデジカメの世界では希有なことであり、なにより評価される点だろう。

追伸:付属の USB コードにノイズフィルタが付いている。なんというか、拘りなのかなぁ、と感心。

俺レシピ オージービーフ 300g

Photo: オージービーフ 300g 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.
Photo: "オージービーフ 300g" 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

肉が余ったので、というと嘘くさいが、本当に安いステーキ肉があまったので、一気に二枚焼いてみる。

日本酒を振りかけて、海塩と胡椒をして放置。その間に、サラダをつくる。何が何でもトマトが好きで、冬場にこれほどお買い得感のない野菜もないけれ ど、つい入れてしまう。青物はワサビ菜。ワサビのぴりっとした風味がするチシャみたいな葉物で、旬はよく分からないが一年中出ている。

オリーブオイル、ごま油、海塩、酢、胡椒、醤油あたりをグルグル混ぜてドレッシングを作っていると、下ごしらえした肉もよい頃合いになっている。


僕が気に入っているリバーライトのフライパンは鉄のちゃんとしたフライパンで、安い。それを煙が出るまで、カンカンに熱して、オリーブオイルを(ホントは高温で使ったらダメなんだけど)馴染ませたら肉を放り込む。

こういう時には、柳宗理の穴あきパスタトングが、最高に便利。なんでも器用に掴めて、洗うのも楽で清潔。菜箸がわりに、あらゆる用途で使っている。 肉は、強火で、蓋をして片面 1分、ひっくり返して、蓋をして反対側 1分。フライパンが暖まっていれば、肉はくっついたりしない。


お皿に肉をあげて、フライパンに残ったいかにも体に悪そうな肉汁に、醤油、酒、チューブのニンニク(これは手間を惜しんで妥協してしまった)を投入して焦げ目を剥がすようにグルグル混ぜる。甘い匂いが立ち上ったらジュッと肉にかけてできあがり。これで、700円ぐらいなもんだから、オージービーフっ て凄い安いな。

日曜日の昼飯に、えらく重たいものを作ってしまった。南の空に浮かぶ、とりどりの冬の雲を見ながら、食べる。まあ、平和な午後。そういえば、季節はずれな近所の風鈴の音は、いつの間にか聞こえなくなっている。