夏の終わりと蝉の死骸

Photo: 蝉 2007. Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.
Photo: “蝉” 2007. Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

朝。

ゴミを出しに外に出ると、蝉が飛んできて、そうして、ギャッと地面に落ちて死んだ。

やれやれ、朝から蝉が死んだ。


何日かして、動かなくなった蝉を抱き起こすように、鮮やかな緑色のカナブンがひっついていた。ダイジョウブ?と寄り添っているようにも見えたし、じっと死を待っているようにも見えた。お前も、そこで死ぬのか?

でも、気がつくと、カナブンはいなくなっていた。蝉だけがずっと転がっていた。


台風が来て、酷い風が吹いて、蝉の体はどこかに行ってしまった。と、思ったら、玄関のドアの横に吹き寄せられていた。困る。

そのままにしておくのは忍びなく、でも、葬るにふさわしい場所もなく、その体を燃えるゴミに出してしまう。都会のど真ん中で死んでしまった蝉。それはそれで、相応しいんじゃないか。蝉も、それで良いと言っているような気がした。