赤提灯とパスタ

Photo: 2002. Tokyo, Japan, Canon PowerShot G1 2.0-2.5/7-21(34-102), JPEG.
Photo: 2002. Tokyo, Japan, Canon PowerShot G1 2.0-2.5/7-21(34-102), JPEG.

美味い店。

入る前にこれを見極めるには、それなりの経験とセンス、そして運が必要。見た目が洒落ていなければいけない、ということではない。雑然とした感じの外観でも、なんとなく美味そうなオーラを出している店というのも多い。

しかし、いくらなんでも赤提灯に「パスタ」はないだろ。


スモークチーズのグリルを、テカテで流し込みながら、懸案のパスタを待つ。店内は(赤提灯なのに)ルート 66 をモチーフにした謎のアメリカンテイスト。店の隅では、常連とおぼしきジーンズ姿のおっちゃん達がビールを飲んでいる。

生トマトとベーコンのパスタ。

愛想の良いウエイターが運んできたパスタは、存外美味かった。ベーコンが、きちんとベーコンだった。ツルリと食べて、ウィルキンソンのジンジャエールで飲み下す。

窓の向こうに、赤提灯が揺れていた。


注:ウィルキンソン・ジンジャエール、かなり辛いが美味いジンジャエール。アサヒ飲料が製造する日本産というのは、ちょっと意外。詳しい情報は、ウィルキンソン・ジン ジャエール愛好会でどうぞ。

Mr. エンゾ

Photo:2001. Yakushima, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Fuji-Film RHP III
Photo:2001. Yakushima, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Fuji-Film RHP III

いつのまにか、男が僕の横に立ち、水面を見つめていた。

一呼吸おいて、彼は、滝つぼに飛び込んでいった


男が消えた水面は鮮やかな緑色で、無数のトンボが落ちつかなげに舞っていた。大川の滝が、その上に膨大な量の水を注いでいる。

しばらく見ていると、彼は浮かび上がり、悠然と下流の方に泳いでいく。

そういえば、僕の傍らに立ったとき、彼の髪からは水滴が落ち、水の匂いがした。


屋久島南東部に位置する大川の滝は、落差・水量ともに九州地方でも最大級の滝である。屋久島には 200以上の滝があると言われているが、これだけの大きさで、滝つぼまで近づく事ができるものは少ない。

そして、僕の傍らからいきなり飛び込んだ、Mr. エンゾ。(それっぽかった)

クワガタ登場

朝起きると、部屋の壁にクワガタがたかっていた。

なんだか、ひどく薄汚れて埃まみれになっていたが、たしかにクワガタで、しっかり壁にしがみついていた。山の中というわけでもないのに、なぜクワガタが。どこかの家で飼われていたのが、逃げ出してきたのだろうか。


とりあえず、暑い中を壁に張り付いていたのだから、なにか食わせてやるべきだろう。キュウリ?スイカ?あいにく、冷蔵庫にそういったものはない。調べてみると、クワガタの食料はヨーグルトや腐ったバナナでもいいらしい。

クワガタを苺の入っていたパックに移して、ヨーグルトを一塊置いてみる。最初は戸惑っていたようだが、そのうち、乳清のあたりを飲み始めた。気に入ったかどうかは分からないが、まあ食えるらしい。ついでに、ティッシュの空き箱を加工して屋根をつけ、日陰をつくっておいた。夜行性だから、このほう が、落ち着くはずだ。


さっき見たら、日陰に移動してくつろいでいた。少し、元気になったようだ。