ピカピカスーツのクソ野郎

社会人が守るべきスーツの基本10。みたいな記事を、季節柄よく目にする。仕事のできるできないの判断は見た目が全て、まあ、そういうのは分かり易い。


スーツネイティブな欧米人の、それも VP とか役職の高い、その中でも「ある種の」人間を間近で見ると、一目で凄くいいものを着てるな、というのが分かる。真っ白のただのシャツだって、シワ1つ無くフワリと着ている。

そんな彼らを、僕は内心「ピカピカスーツのクソ野郎」と呼んでいる。これは僕の偏見だが、見事なスーツで、ピッカピカの格好をしているやつは、政治屋ビジネスマンだ。彼らは自分のキャリアとポジションしか考えない。その歪んだ努力と下らない誇りとが、ピッカピカになって見えているのだと、僕は感じる。


昔、僕がまだ社会人になったばかりの頃、社食の隅の簡素なテーブルで、もぐもぐ定食を食べている社長(日本の Country Manager だ)を見て、とても尊敬したし、そういう会社で働くことを嬉しく思った。スーツがどうだったかは覚えていないけれど、別に全然ピカピカじゃなかったと思う。

あるセミナーで、たまたまエリック・シュミットが現れて、ひとしきり喋っていった事があった。ざっくりしたシャツと、チノパンだった。ピッカピカではないけれど、すげーなと思った。

情熱の向いている方向、っていうのがあるのだろう。何かを食い物にしようという情熱は、スーツをよりピカピカに仕上げるのかもしれない。

笑ってはいけない

笑ってはいけない、を見ている。もう、最近のは笑ってはいけない前に、笑えないけれど、豆絞り隊だけは見なくてはいけない。

少し前。すき焼きをつつきながら、シンガポール人と話していた。

「お前は、Japanese comic showを知っているか?」

と訊かれる。なんの事だろう?日本の有名なテレビというが、そんな名前の番組、知らない。


「Don’t laughだ」

ん?んん?それはもしかして、

「笑ってはいけない」

の事だろうか。笑うと、バットで殴られるやつ。そう、それか。そういうジャンルの番組って、ものすごく日本オリジナルらしい。あの笑いが分かるのか。でもって、Youは肉を生卵にからめて食べられるのか。

外国人と親しくなるのが、だいぶ苦手だったが、彼とはその後、けっこう仲良くなった。

東京マラソン恐怖の真実

買い物に行こうと、少し遠くの駅に向かって歩いていると、もの凄く交通規制されていて、殆ど車が入れないようになっている。そして、僕の行く先には人垣が出来ていて、週末の都心には珍しく、人出がある。今日は東京マラソンなのか。

僕がマラソンに出くわしたのは、もう午後になってのことで、選手の列ももう後ろの方。頭の上によく分からない謎キャラのマスコットをつけてグループで走る人も居て、結構ゆるい。

僕の目的地は、マラソンコースが完全に遮っていて、進めない。さてどうやってここを突破したものか、ランナーを眺めながら考えていると、はとバスが目に入った。

なぜ、はとバスが?よく見ると、はとバスはマラソンの最後尾にぴったり付けている。あれは何をしているのだ?


どんなマラソンにも、最低限守らなければならない規定のタイムというものがある。最後のランナーが、自分のペースで走り終わるのを待ってくれるマラソン大会は(町内健康マラソンならともかく)多分無い。つまり、はとバスは、規定タイムに間に合わないランナーを、回収しているのだ。

パックマンのモンスターのように、どん尻のランナーがパクパクと食われていく。

そうやって、回収されてしまったランナーはどうなるのか。はとバスがゴールに着いた後、家に帰されるのか。いや、そんな甘いものでは無いかも知れない。東京都最果ての、どこかの離島に連れて行かれ、来年の東京マラソンの記念品を作る労働をさせられるのかもしれない。

恐らく、彼らがビックサイトに帰還できるのは、来年の今頃になるだろう。