スパゲッティナポリタンは日本料理だ

Spaghetti Neapolitan(Napolitan).
Photo: “Spaghetti Neapolitan(Napolitan).” 2013. Agra, India, Apple iPhone 4S.

「スパゲッティナポリタンは日本料理だ」

と聞いていたけれど、ここインドのアーグラーでレストランのメニューを眺めていた僕は、深い衝撃を受けた。

ベジパスタとか、チキンパスタとか、さもありなんなメニューに混じって、”Spaghetti Neapolitan” こ、、これは。これは所謂、ナポリタンなのだろうか。中途半端に「ナポリ」の綴りが本格的だったり、ボロネーゼと並んで、イタリア料理的扱いになったりしているのも気になる。


日本で働いた事があるシェフか何かが伝えたのだろうか。わがままな日本人観光客のリクエストから生まれたメニューだろうか。あるいは、全くその発祥を日本とは異にする、インダス文明独自の新メニューなのか。

是非頼んでみたかったが、そうしなかった。僕は、今になって後悔している。世界の片隅で出会うネタメニューは、やっぱり頼んでおくべきなのだ。

インドではナンを食べない

Naan and can of coke.
Photo: “Naan and can of coke.” 2013. Agra, India, Apple iPhone 4S.

「インドでは普通ナンを食べない、あれは日本のインド料理独特のものだ」

なんて、聞いていたけれど、普通にナン出てきてますけど。

きっとここは、観光客向けの高級な店なのだろう。だから、一般的にはあまり食べないというナンも、普通に出てくる。白と青で統一された店内は、清潔で涼しげ。出てくるカレーも、変な話、日本のうまいインド料理屋で食べる感じ。

ビリヤニも、マトンカレーも大変結構。値段が相当高いから、毒気が抜かれた洗練の料理。飲み物のコーラも、缶入りで安心。思えば、ここで気をよくして油断したのが良くなかった。インドのレストランと言ったって、別に普通じゃん、と思ってしまった。後から考えれば、そんなことは無かったのだ。インドのダイナミックレンジを、僕は見誤ったのだ。


ホテルの運転手は店の外で待っている。店の周りに屯している地元に人間(暇なのか、仕事が無いのか、そこに居るのが仕事なのか)と、なにやら楽しそうに話している。インド人のフレンドリーさというか、誰とでも超親しく話しちゃう感というか、その距離感は近い。

俺レシピ ジャンポン・ペルシエ シルブプレ

MACON-LUGNY SAINT-PIERRE and Jambon Perisillé
Photo: “MACON-LUGNY SAINT-PIERRE and Jambon Perisillé” Tokyo, Apple iPhone 6S.

諸般の事情により、週末は家飲みになったので、何か食いたいモノがあればネットで注文しておくから教えるように。何気ないその問いに、

「ハムとパセリのゼリー寄せ」

という回答をよこしやがった。なんだそれは。

アルコール品種の中で、最もワインに興味が無かった友人が、業務命令でソムリエ試験を受験させられているのは、僕にとっては大変面白い事なのだが、実にソムリエ試験というのは料理だのチーズだのも散々勉強しないといけないようだ。

そして、その「ハムとパセリのゼリー寄せ」こと、正式名称「ジャンポン・ペルシエ(jambon perisillé)」は、マコンの白ワインとの組み合わせ料理として、ソムリエ試験のテキストによく出てくるようである。そんな料理、見たこともないけどね。

そういう事なら、作ってあげましょう。


レシピを調べてみると、別にそんなに難しくない。ポイントはコンソメをゼリーにするために、正しい温度でゼラチンを投入しなければならないぐらいか。これは調理用温度計を持っていれば、難しくない。(料理用の温度計は持っておいた方が良いものだ)

ハムを一センチ角に切り、パセリも刻んでおく。パセリは間違って、イタリアンパセリを注文してしまったが、まあしかたない。コンソメスープを作り、みじん切りのタマネギを煮て、オニオンスープのようなものを作る。胡椒を少々。火を止めて 80度ぐらいまで下がったら、ゼラチン投入。

型にハムを並べ、パセリを散らす。スープを注ぎ、冷ましながら粘度が付いてきたら、具が適度に散らばるようにスプーンで調整する。だいたいあら熱を取ったら、冷蔵庫にぶっ込めばできあがり。


作った以上は、この料理に合わせることになっている、マコン・ブランというものを買ってきて頂きましょう。いったいどこで売っているかは知らんが。

LINEで型に入ったジャンポン・ペルシエを送りつけられた友人は、ちゃんとマコン・ブランを見つけてきた。手提げ袋を見るに、三越まで行ったのか。